痛みを感じるのはよく効いている証拠! Bスポット療法(EAT)
Bスポット療法(EAT)とは
Bスポット療法とは、上咽頭(別名:鼻咽腔)と呼ばれる部位(鼻の奥にある口蓋垂(通称のどちんこ)の後ろの部分にあります)に塩化亜鉛と言われる消炎剤を塗布する治療法のことです。Bスポット療法の「B」は、Biinku(鼻咽腔)の頭文字になります。 患者さんが「のどが痛い」と言われる時に耳鼻咽喉科のドクターがスプレーでお薬をかける部位ではなく、それよりも少し上の部位(のどちんこの裏をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません)をBスポットと言います。 近年、この治療は上咽頭擦過治療(Epipharyngeal Abrasive Therapy )(EAT:イート)と名称が統一され、Bスポット療法と呼ばれる場合やEAT(イート)と呼ばれることがありますが同じ治療法になります。なお、最近ではコロナ後遺症への効果も期待がされています。
※Bスポット療法は松谷クリニックとせんちゅうクリニック(千里中央駅徒歩3分)で実施しております。
この上咽頭(鼻咽腔)は、呼吸をすると必ず空気がこの部位を通るため、空気中のホコリや細菌、ウイルスの影響を受けやすい場所・溜まり場となりやすいため、炎症を起こしやすい部分の一つです。風邪の初期症状として、「喉が痛い」と感じる際には上咽頭(鼻咽腔)が腫れているということが多々あります。
実は耳鼻咽喉科の中でもこの上咽頭(鼻咽腔)への治療をするドクターは決して多いとは言えませんし、耳鼻科医以外では確認しづらい場所なので、内科や小児科では今までほとんど治療をされてきませんでした。 多くの方が「のどがイガイガする」などの症状を風邪のひき始めで感じていらっしゃるかと思いますが、それはこのBスポットという部位が炎症を起こしている可能性があります。喉に違和感を感じたり、痛みを感じる時、風邪をひいたかもしれないと思った際には上咽頭(鼻咽腔)を治療することで風邪の治りが早くなったり、風邪を悪化させないといった効果が期待できます。 Bスポット療法(EAT)の方法としては、塩化亜鉛もしくはルゴール液を綿棒に染み込ませ、口の中もしくは鼻から上咽頭に十分に塗布します。塗布をするだけになるのでBスポット療法(EAT)の実施時間は短い(約1分程度)ですが、塗布している際は、炎症を起こしている部分にお薬を塗るので正直に申し上げると「痛い」です。しかし、その痛みこそお薬が炎症を起こしている部位に塗られている証拠になります。 Bスポット療法(EAT)を行った(上咽頭(鼻咽腔)にお薬を塗布した)後はBスポットの部位はヒリヒリとした感じが数時間しますが、徐々にヒリヒリ感も治まり、その後は症状がすっきりと改善します。このヒリヒリとした痛みが強いほど、その後の治りが良かったという患者さんの声が多いです。 Bスポット療法(EAT)は、上咽頭(鼻咽腔)の局部のみの治療ですので、乳幼児から大人の方まで、また、妊娠中の方や授乳中の方にも安心して受けていただける治療法になります。 Bスポットは、人間の免疫機能のポイントだと言われていて、Bスポット療法(EAT)を実施することで、実は、のど風邪以外の様々な症状、コロナ後遺症、疾患の改善・効果が報告されています。Bスポット療法(EAT)の効果
- のど風邪(咽頭炎)
- 後鼻漏(鼻水が喉の奥に流れていく症状)
- 鼻やのどの痛み
- 鼻やのどの違和感
- アレルギー性鼻炎
- 扁桃炎
- 咽頭炎
- 副鼻腔炎
※頭痛を伴う肩こり、片頭痛、めまいや耳鳴、ぜんそく、掌蹠膿疱症、IgA腎症、自律神経失調症、眼精疲労などにも効果があるという報告あり
Bスポット療法(EAT)の受けていただく際の注意点
- 1回の治療で軽い風邪であれば症状が改善することもあります。症状・炎症の度合いにもよりますが、基本的には週1~2回の通院をしていただくことが目安になります。
- ヒリヒリ感が強い場合は、「炎症が強い」ということですし、痛みが持続します。ヒリヒリとした痛みがあるので治療を止めるのではなく、逆に痛みを強く感じる方ほど炎症が強いため、治療(Bスポット療法)を継続していただいたほうが良いです。お薬を塗布してヒリヒリとした痛みが和らいてきたということは炎症が治まってきているということです。
- お薬を塗布した後少しの間(数時間程度)は、血の混じった鼻水や痰が出る、つばがピンク色(つばに血が混じっているため)心配はありません。
- まれに治療後に一時的にではありますが、治療をする前より症状が強くなったり、頭痛がしたり、アトピーなど皮膚症状が悪くなることがあります。その原因は、上咽頭(鼻咽腔)の炎症が強いからということになります。
- Bスポット療法(EAT)は補助的治療とお考え下さい。ネブライザー治療や飲み薬など現在治療を受けられている対象疾患の治療を継続しながら並行して行うのが良いでしょう。中断する必要はありません。